私の活きる道 ~家族のためにできること~

明日死ぬかのように生き、永遠に生きるかのように学ぶの記

人前で話すということ

「情報は熱いうちに」と思いつつ、すでに一昨日のことになってしまったが、

4月11日に行われた地元小学校の入学式のことを書く。

 

 

準備とは

今回はPTA役員としての臨席、人生初の「来賓席」だ。

PTAでの役は副会長だけど、会長さんが長期出張中で不在のため代打として祝辞を述べることに。

代打の可能性については早々に示唆されていたので、

2月ごろから「入学式」「祝辞」「雛形」などのキーワードでググってイメージをつかもうとしていた。

 

しかし、雛形は所詮雛形、

これをそのまま使おうという気は更々起きなかった。

やはり、自分なりのアレンジがないと気持ちは入らないし、

人前で話すという初めての経験の場で、そんな薄っぺらいメッキが剥がれないわけがない、と直感していた。

 

北島康介ロンドン五輪を決めたときの会見で言っていた

チャンスがある限り挑戦したい。胸を張ってスタート台に立てるよう、準備していきたい。 

という言葉は、本当にその通りだと思う。

十分な準備をできたものだけが満足な成果を上げることができることは、

スポーツ選手だったころの自らの経験からも、実証済みだったから。

 

 

準備その1

ということで、最初の準備として祝辞原稿の推敲に入った。

年度末で仕事が忙しかったせいもあるが、

1週間前になってようやく本気モードに突入。

北島康介には程遠い準備期間だが、それなりにがんばって、工夫して時間を捻り出した。

 

このとき重宝したのがEvernote

盛り込みたい話やフレーズを書き留めたり、他の人のスピーチから得たヒントをメモったりして、

まとまった時間があるときにパソコンでそれらをつなぎ合わせる作業をした。

以前このブログの記事でも触れたとおり、スマートフォンとパソコンの両方から同じデータにアクセスできて、

加工もできるという、クラウドサービスのメリットを実用的に感じることができた。

 

こうして、草稿を重ねた原稿がようやくまとまってきたのが、式3日前。

これで万全と思って、試しに音読してみると、

修正したい個所が見つかって、読み直してみるたびにまた新たに見つかる・・・。

きりがないと感じたから、前日の朝見直したところで凍結を決意した。

 

 

準備その2

が、ここで思いもよらぬもうひとつの準備が目の前に。

仕事の合間に書店をぶらぶらしていると、一冊の本の表紙が目に飛び込んできた。

『なぜあの人は人前で話すのがうまいのか』(中谷彰宏著・ダイヤモンド社)

残された時間はあと1日もなかったけど、

ビニールでがっちりコーティングされて一切立ち読みできなかったけど、

即買いした。

 

即買いし過ぎて気づいてなかったが、この本、実は付録付きだった。

「人前でうまく話すための直前チェックリスト」

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本のタイトルといい、この付録のタイトルといい、なんてベタな・・・

正直そう感じたが、中谷ブランドの看板が安心感を与えてくれた。

チェックリストは、本書籍の内容から厳選の19項目を箇条書きされたもので、

ワイシャツの胸ポケットに忍ばせることを意識したと思しきその大きさは、

名刺よりひとまわり大きいくらい。

もちろん、式当日には私の胸ポケットに潜んで、私のドキドキを和らげてくれていた。

 

 

準備その3

十分に推敲を重ねた原稿、人前で話すときのコツ・注意点、

これ以上の準備することはないと感じて小学校に入ったが、

意外に早く到着してしまって、することがない。

一応来賓なので、会場準備等に奔走するわけにもいかず、

ふらりと控え室を出て、何気なく会場の体育館を下見することに。

 

体育館内はすっかり準備完了していて、

新入学生、在校生代表(6年生)、保護者、来賓、先生と

それぞれの着席する椅子がきれいに並んでいた。

体育館内には私ひとりだったので、試しにステージに上がってみることにした。

ステージからの眺めは未知だったので、なんとなく興味本位だったのだ。

 

上がってみると、

「あ、これ、事前に上がってなかったら、舞い上がっていた」ってくらい壮観だった。

引き続き人がいないのをいいことに、ステージ上で原稿を少しだけ音読してみた。

チェックリストにあった視線の動かし方もテストしてみながら。

後から考えると、事前にステージに上がってみるという準備は、

場数を踏んでいない私にはとても重要だった。

 

というような、準備をしっかり(たまたま)できたおかげで、

気持ちを乗せて祝辞を述べることができた。

何人もの知り合いから「いい挨拶だったよ。」と評価してもらえた。

 人前で話すということ、今回それを初めて体験でき、それなりにこなすことができた。

慣れない私がそうできたのは、ひとえに準備あったればこそ。

 

最後に、『なぜあの人は人前で話すのがうまいのか』から

自己紹介に関するいくつかのセンテンスを引用して、今後の自分に対するエールを送る。

「満足したら、ここでストップするぞ。もっと新しいステージがあるぞ」と。

  • ほとんどの人がする失敗は、どこでも同じような自己紹介をすることです。
  • 「今しか使えない自己紹介」が、もっとも強い自己紹介です。
  • 自分の名前を覚えてもらうためには、名前を明快に言うことです。
  • 自己紹介がうまくならない人は、自己紹介が必要な知らない人が大勢いる場所に行かない人です。